2023年12月2日にパパ育カレッジを開催しました。
その内容をご紹介します。
イベント概要
日時:2023年12月2日 22:00~23:30
テーマ:仕事と育児を両立する働き方を語ろう
〜これからの時代のパパのキャリアを考える~
イベント内容
- パネルトーク
転職や時短勤務など様々な働き方を選択されたパパ達にパネラーとして、自身の働き方やキャリアへの考え方などを語っていただきます。
- 座談会
パネラーを囲んで、わいわいと雑談をします。
このような方におすすめです
- 育児をしながらキャリアに不安や悩みがある方
- 周囲に仕事と育児を両立している男性がおらず、相談できる人がいない方
- パートナーとの仕事と家事・育児の分担に悩みがある方
レポート
パネラーとして以下の3名をお迎えし、25名(パネラー含む)に参加いただきました。
- 黄昏ほーむさん(お子様の誕生を機に転職)
- ヤマモトさん(時短勤務とフルタイムを切り替えながら働いている)
- doraパパさん(両立のために職場改革を実施している)
パネルトーク
前半のパネルトークでは、Q&A形式でパネラーの方のご経験を語っていただきました。
お話しいただいた内容を要約してご紹介します。
黄昏ほーむさん
現在、2歳半の子供が一人います。2回に分けて計7ヶ月育休を取得しました。
育休復帰後2ヶ月ほどで退職し、今の会社に転職をしました。
メーカーの品質保証をしており、フルタイムで課長代理をしています。(管理職が時短勤務をしている)
Q. 転職を決めた経緯は?
前職コンサル業で月の半分は出張しているような仕事でした。
男性の長期育休を取得するのは自分が初めてで、自分も会社も育休を取ることがゴールになってしまって、復帰後のことを考えられていませんでした。
1回目の育休から復帰した際に、この働き方を続けることはできないと感じ、会社と調整を試みましたが、折り合いがつかず、2回目の育休中に転職を考え始めました。
Q. 会社とは具体的にどのような交渉をしていましたか?
出張免除するか、違う働き方をするかを求めましたが、事務業務にすれば出張は免除できるが、当時の会社設備では在宅勤務ができず、やりたい仕事でもありませんでした。
また、私の提案に対する返答しかもらえず、会社側からの提案もなかったことから、あまり親身に考えてくれていないという思いも芽生えました。
Q. 転職について周囲の反応はどうでしたか?
あまり驚かれませんでした。
元々子どもが生まれたら育休を取ると周囲には言っていたので、戻ってどうするんだろうと思われていたと思います。
Q. 転職した結果、子育てしやすい環境になりましたか?
はい。周囲の理解も得られる職場ですし、転職後残業をしたこともありません。
また、給与も上がりました。
Q. 仕事と育児の両立で工夫していることはありますか?
前提として、移動時間を減らすことを重視して、転職先や子どもの保育園を決めました。
(保育園も妻の職場も徒歩5分でした)
家事はいろんな時短家電を使うようにしています。
保育園から呼び出しがあるとまずい日を作らないように、夫婦で仕事のスケジュールを共有し、この日は抜けられないという日を被らせないように調整しています。
それでも無理な日ができる場合は、あらかじめ祖父母に頼れるように準備しています。
それにより、不安を抱えながら仕事をしなくてよくなるので、片方を犠牲にしないために意識しています。
Q. 夫婦での話し合いをかなりされている印象ですが、どのように話をされましたか?
妻と定期的に家計の報告会をしているので、その中で対話をしてきました。
キャリア感から何を優先していくかという話をしていくと、結果としてそういう考えになりました。
Q. 今後、やりたいと考えていることはありますか?
現在、妻が二人目を妊娠しているので、会社へ出産予定日から保育園入園までの11か月と復帰後の時短を希望しています。
小学校卒業まで時短勤務ができる会社なので、小学校卒業まで時短勤務をしたいと考えています。
また、週休3日制の導入を会社へ提案しており、もし実現できれば、時短かつ週休3日制で副業で個人事業主になりたいと考えています。
ヤマモトさん
現在、2歳半の子供が一人いて、来年3月に二人目が誕生予定です。11ヶ月育休を取得しました。
労働組合に勤務しており、仕事の繁忙期と閑散期に応じて、フルタイムと時短勤務を切り替える変則的な働き方をしています。(下図参照)
時短勤務ですが、残業免除申請はしていないため、早出や残業も必要に応じて対応しているため、業務のフォロー人員もありません。
Q. 働き方を決めた経緯は?
育休から復帰してからも家事育児にコミットしたいという思いと、1年近い育休明けでフルタイムは体力的に不安がありました。
また、保育園に入るとよく休むと聞いていたので、フルタイムで対応できるのか不安もあったため、時短勤務で復職しました。
年明けくらいから仕事が繁忙期になるため、その頃にはフルタイムに戻るのかなと考えていました。
ただ、時短勤務を経験してからフルタイムに戻ると時短勤務中の子どもとしっかり関われた経験を恋しく思い、仕事が落ち着く夏頃にもう一度時短勤務できるのではと思い始めました。
結果的には妻が悪阻で体調が悪い時期をサポートできて良かったです。
Q. 仕事と育児の両立で工夫していることはありますか?
三種の神器の活用など、家事の総量を減らすことをしています。
スケジュールは会議はあるけど抜けられる予定と抜けられない予定をレベル分けして共有し、この日に呼び出しがあったらどちらが行くかは事前に話し合っています。
どうしても調整できない日は祖父母を頼っている。
Q. 今後、やりたいと考えていることはありますか?
私も二人目出産の予定があるので、まずは二人育児をできる体制を考えています。
今まで、義実家に頼ることも多かったですが、公的な支援サービスを調べて活用していくことを考えています。
また、職場と相談をしているが、法律を超えた制度の導入は難しいと言われているので、社内で管理職になって、変えていくのか、別の業界に移るのかを考えています。
doraパパさん
4歳と0歳9ヶ月の子どもがいます。上の子の時に3ヶ月の育休を取得し、現在は1年1ヶ月の育休中です。
小売業の店長をしています。管理職になるため、みなし労働で、勤務時間の縛りはありません。
妻も夜勤もあるフルタイムの仕事をしています。
Q. 働き方を決めた経緯は?
子どもが生まれて、会社には働き方をセーブしたいという話はしていましたが、会社の都合もあり、管理職になることを打診されました。
他の店長は毎日朝から晩まで仕事することが暗黙のルールのようになっていましたが、子どもの保育園の送り迎えや妻の仕事も考えて、そうはなりたくないという思い、自店舗で職場の改革を進めようと思いました。
結果として、子どもの送り迎えをしたり、子どもが休みの日は休んだりという働き方が実現できたことが、今の仕事を続けられている理由です。
Q. 仕事と育児の両立で工夫していることはありますか?
家事は得意なこと不得意なことがあるので、私は料理やキッチン周り、買い物は任せてもらい、妻は掃除や洗濯を担当しています。
時短家電を活用して、家事自体を減らす努力もしています。
スケジュールをアプリを使って共有して、検診などはどちらが休みを取るかを話し合っています。
地域のコミュニティに頼ることもあると思い、いざというときに頼れるように、サイトの登録はしています。
仕事では着任時に、自分は子どもを優先するので帰ると宣言をし、この日は仕事をできない日というのを職場でも共有しています。
また、自分の仕事を他の人でもできるように教えることで、属人化の解消にも努めています。
Q. 今後、やりたいと考えていることはありますか?
まだ復職後にどういう役職になるかなど未定ですが、今まで自分がやってきた職場改善を全社に広げていきたいという思いを持っています。
ただ、会社の経営陣の中には、男は働いてなんぼという方もいるようなので、どう立ち回っていくかは悩みながらやっていくと思います。
Q. 経営層の理解が得にくい中、どういう気持ちで仕事をされていますか?
正直、かなり気にしながら仕事しています。子どもを優先していると言いつつも仕事をしないといけないのかなと悩んでメンタルはボロボロになるようなこともあります。
子どもを迎えに行った後、職場に子どもを連れて行って仕事をしたこともあります。
座談会
座談会でワイワイと仕事と育児の両立について話をしました。
以下のような話題が出ました。
- 転職する際は、年収・職場・業界・キャリア感で子育てできる働き方を最優先した。
- 小学校に入学後にどう過ごしていくか悩んでいる。
- 子どもを優先して出張を断ったら評価が低くなったりしたこともある。
- 義父母を頼れるように信頼関係を構築しておくことも大切だと思う。
- 10人くらいの会社に勤めていると育休を取ること自体ハードルに感じている。
- 仕事と育児のどちらを取るかの選択を迫られているが、女性はかなり前からその悩みを抱えてきたので、社会が変わっていかないといけない。
- 男性育休は取るのがゴールになっていて、復職すると育休で迷惑かけた分頑張ってねという空気を感じる。
参加者の声
- リアルな話が聞けて良かった
- ブレークアウトでパネラーとより深く話ができたのがよかった
- ブレークアウトの時間がもう少し長いほうがよかった
- 同年代のパパの意見や話を聞ける機会は少ないので、興味深かった
- いろいろなキャリアの方の意見が聞けてよかった
- 働き方は三者三様でしたが、パートナーとのコミュニケーションを密にするという点は共通していたことが印象的だった
まとめ
まだまだ、仕事と育児のどちらを取るのか選択を迫られることも多いですが、どちらも諦めずに両立することが当たり前にできる社会にしていきたいと改めて感じました。
パパ育カレッジでは、今後も仕事と育児の両立やキャリアについて、悩みを話したり、他者の話を聞いて選択肢を増やせるイベントを企画していきます。
世の中では、育児を頑張る男性はまだ少数派ですが、パパ育コミュニティには仕事と育児を両立しようと奮闘するパパが大勢います。
ご興味あれば、是非お気軽にご参加ください。
パパ育カレッジとは
パパ育コミュが主催する勉強会です。
現役のパパママで得意なことを教え合ったり、気になることをディスカッションしながら、お互いに学び合う”育自”の場を提供していきます。
扱うテーマもパパ育コミュのメンバーから募集しています。
どなたでもご参加いただけますので、ご興味あるテーマにはお気軽にご参加ください。