会社に「育休を取ったら帰ってくる場所はないぞ」と言われながらも家族のために育休を取得したJIJIさん

JIJIさんは関東近辺に在住の30代の男性です。2024年に第一子がお生まれになる予定で、今回は出産直前のタイミングで、パパになる気持ちや育休取得のご苦労など、色々とお話を伺わせて頂きました。

育児や育休について

お子様がお生まれになる前のお気持ちについてお聞かせ下さい。

出産まで2週間となっています。臨月なので、いつ生まれるかとドキドキしています。

今は義理の父から「出来れば一人目の妊娠・出産では娘に寄り添ってあげて欲しい」と言われたこともあり、会社に相談のうえ産前に有給休暇を取得しています。

こどもが恥ずかしがり屋さんなのか、性別はまだよく分からないのですが、多分女の子なのではないかと思っています。

名前はなんとなくのイメージはありますが、出産後に生まれてきたこどもを見てから最終的には決めようと思っています。

ご出産に向けて大変なことはありますか。

出産方法が直近で目まぐるしく変わっていたりします。

もともとは計画無痛分娩を希望していました。ただ、臨月が近くなってもお腹の中のこどもの逆子が直らなかったので、産婦人科医と相談して帝王切開に切り替えようという話になりました。

帝王切開ですと手術の日に赤ちゃんが生まれることになるので、関西にいる両親に手術日を伝えて、その後に来てもらうように段取りをしていました(JIJIさんの家に取っては待望の初孫とのことです)。

ただ、帝王切開を前提に色々と準備を進めていたのですが、先日の検診で、なんと逆子が直っていました。

逆子が解消したことで、出産の方法について改めて主治医と話し合い、もともと希望していた計画無痛分娩に切り替える案もあったのですが、最終的にあかちゃんのタイミングも大切にしようということになり、計画ではなく自然分娩で無痛になりました。

そのため、関西の両親に来てもらうタイミングが白紙になったりとバタバタしています。

育休を取得されますか。

育休は1年間申請しました。

育休は申請において何か苦労はありましたか。

とても苦労しました。

妊娠3、4カ月のタイミングで早めに会社に一か月程度の育休を取得させて欲しい旨を相談しました。社内に育休を取得した男性が過去にいなかったということもあり、どうなることかと不安に感じる部分はありましたが、一旦は会社側は了承してくれていました。

ただ、その後、自分が社内で営業部門の統括業務を担っているため、経営陣の中に自分の育休取得に対して不安を口にする人が出てきました。育休中も短時間働ける仕組みがあるので、月に20時間でも働いて欲しいという要望が会社からありました

会社に負担をかける部分もあるので、在宅で良ければ働くことも検討しましたが、会社側は働くのであれば出社するようにとのことでした。育休中で育児やパートナーのサポートもあるので、出社は厳しいと伝え、お互いの意見に折り合いがつかなくなってしまいました。

育休は労働者の権利なので会社と喧嘩してでも取得はできるはずですが、期間や業務の引継ぎ等については調整が必要な状況になりました。

営業部門の統括ということで、社内でも中核的な仕事だと思いますが、引継ぎはどうされましたか。

引継ぎは自分が信頼できる知り合いの方を社外から連れてきました。そのうえで、丁寧に業務内容を引き継ぎました。

業務を引き継いだ上で改めて会社に育休取得について相談しました。

そうすると、「育休とったらお前の帰ってくる場所ないぞ。」と経営陣から言われました。

売り言葉に買い言葉ではないですが、私も「じゃあ、一年取ります。」と発言しました。

このようなことの顛末で、もともとは一か月の予定でしたが、一年間の育休を申請することになりました。

会社に戻れるか不安はありますが、育休中は家族のために時間を使いたいと思っています。

育休復帰のタイミングについてどのように考えていますか。

育休は一年間申請しましたが、復職のタイミングについては色々と検討しています。

一つは、半年で復職する案です。会社とは意見の不一致もありましたが、結果的に育休を取得させてもらっているので、早期に復職することも考えています。ただ、実際にこどもが生まれて見ないと育児の大変さは分からないので、状況を見て判断したいと思っています。

もう一つは、申請通り一年間取得する案で、この場合はパートナーが先に復職予定です。

いずれにしても、こどもが生まれてみないと何とも言えないので、これからの状況を見ながら検討しようと思います。

こどもが生まれてからの育児について不安に思っていることはありますか。

インターネットや書籍から色々な情報を得ているのですが、書いてある内容が違ったりしている印象です。ダイエット本などでも、「リンゴはダイエットにいい」と書いてある本もあれば、「リンゴを食べると太る」と書いてある本もあり、何を信じるかは結局のところ自分の判断なのだと思っています。

こどもが生まれてから、こどもにあった育児のあり方を夫婦で探していければと思います。

こどもが生まれたらやってみたいことはありますか。

夫婦で運動が好きなので、こどもをベビーカーに載せてマラソンをするベビーマラソンにでてみたいです。

コミュニティについて

コミュニティはどのように見つけましたか。

育休取得について悩んでいる際に、自分と同じような境遇のパパがいないかと思い、インターネットで検索したら「パパ育コミュ」を見つけました。

コミュニティに参加した目的は何ですか。

育休取得について同じような経験のあるパパに相談できたらと思って参加しました。

ただ、Lineコミュニティには70名近くのメンバーがいて、どのような方が参加しているのかも分からない中で、相談していいのかよく分かりませんでした。

そのため、例えば、なんでも相談できるチャットルームがあったり、相談フォームみたいなものを作ってもらえたりすると、相談のハードルが下がっていいのではないかと思っています。

(シカゴリラ:相談しやすい仕組み作りについてお知恵をお貸しいただけると助かります。)

お力になれればと思います。

自分の知り合いの20代の人に、これからパパになる上での心構えや育休取得について相談を受けることがあったりするので、そうした若い世代の育児相談の受け皿があるといいと思ったりします。

何か最後に伝えておきたいことなどあれば是非。

自分は育休取得において苦労があったので、地域の自治体と連携しながら育休セミナーのような企画をしたいと思っています。もし良かったら、先輩パパとしてオンラインで大丈夫なので、誰かお話して頂けるとありがたいのですが、如何でしょうか。

もちろん、ご協力させて頂きます。また、自治体との連携については、コミュニティのメンバーでも取り組んでいる方がいるので、良かったら情報交換会みたいなこともできるといいですね。

JIJIさん、貴重なお話をうかがわせて頂き、どうもありがとうございました。 シカゴリラ

※イラストはサノパパさんに書いて頂きました。イラストやデザインのご要望があればTwitterまで。

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